
パーカーは、中立点であり、分岐点。
パーカーほど、着る人によって表情を変える服はないかもしれない。
それ一枚でサマになるし、どんなパンツと組み合わせるかで、雰囲気ががらりと変わる。
例えば、色落ちしたデニムを合わせれば、王道のアメカジ。
きれいめなスラックスと合わせれば、都会的な空気感が漂う。
カーゴパンツとなら、アウトドアの匂いをまとい、ラフなのにタフなスタイルに。
そう、パーカーはどんなスタイルにもなれる“中立点”のような存在。
どちらに振るかは、自分次第。だから、何枚あっても楽しい。
そしてもう一つ、シルエットや素材感によっても印象は変わる。
厚手の裏起毛なら、どこかストリート感のある力強さが生まれるし、
逆に薄手のものなら、軽やかでスポーティな雰囲気に。
オーバーサイズなら、少しだけ余裕のある空気がまとえるし、
フィット感のあるサイズを選べば、洗練された印象に寄せることもできる。
同じ“パーカー”という括りでも、そこには無数の選択肢がある。
選ぶ楽しみ、組み合わせる面白さ、そして毎日着ても飽きない懐の深さ。
“ただの定番”では終わらない、最も奥行きのあるアイテム。
それが、パーカーという服の魅力なのだと思う。