
秋が短くなったから、服選びは長めに考える。
「気がついたら秋が終わっていた」──そんな年が増えた気がする。
真夏から一気に冬へ。そのスピードに、服の準備が追いつかないまま、季節だけが過ぎていく。
だからこそ今、あえて“秋のための服”を意識して選びたい。
厚すぎないジャケットや、レイヤードしやすいライトアウター。ロンTやシャツに重ねて、昼と夜の温度差に対応できる服。
そんな“つなぎの一着”があると、短くなった秋ももっと楽しめる。
肌寒い朝にさらっと羽織って、昼間は脱いで小脇に抱える。夜風が強くなるころには、もう一枚重ねてもいい。
重ねるたびに変わるシルエット、揺れる生地、こすれる音。服が“自分の時間”にちゃんと寄り添ってくれる感覚がある。
秋は、実験の季節だ。
服を着こなすというより、気温や時間に合わせて“試してみる”季節。
気張らないジャケット、撥水の軽いアウター、落ち着いたトーンのトップス──それぞれが、この不安定な季節にちょうどいい。
そうやって選んだ服たちは、やがて冬にも自然につながっていく。
短いからこそ、秋は濃く楽しみたい。
そんなとき頼れる一着が、クローゼットにあると安心だ。